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オイオイ、何言ってるんだこの人。。。

ぼくは、そういう風に思える瞬間のある講演が好き。

先日、田口ランディさんの講演を聞く機会がありました。
田口さんの話を聞くのは一年ぶりで、わくわくしていました。

話自体は、以下の通り(自分の解釈では)。

自分で何かを選び取り、自身の敏感な感覚で世界を「実感」して生きる自分と、
他者の価値観に規定された自分がいる。
例えば、病院では自分はジュンジという個人であるとともに、
患者という役割を嫌がおうにも引き受けてしまう自分がいる。
そして、他者に規定された自分として生きている状態は、ほんとに生きているといえるのか?

興味深く、うん、そうだなー。と思う点もあり、疑問もありというところでした。
今回ぼくが驚いたのは、内容についてより、
多くの聴講者が、今回の田口さんのお話は、レジュメを殆ど使わず物語のように語られ、
わかりやすく、心に伝わってきたと言っていることでした。
でも、ぼく自身にはなんだかスッキリしないところがありました。

スッキリしない原因は何だろうと、一晩、寝てる間に考えたら
次の朝、気付いたのは
「オイオイ、何言ってるんだこの人」感が、
今回の話は少なかったんじゃないかということでした。

今回の田口さんの言葉は、
無意識・意識のハザマから未分化のまま吐き出されたものではなく
既に伝えるための言葉になっていて、
聴講者のみなさんは、気持ちよくランディワールドを旅できたのだと思います。
多くの人はその話をなんとなしに理解した気になり(おそらく正しく理解もしているのでしょう)、
自分が少し向こうの世界を垣間見ることができて、何か新しい価値観が開けたと感じた。
そんな感じがしました。
話が気持ちよく聴講者の頭に入ってくるのって、講演としては成功だと思います。
でもそれって、なんとなしに予定調和的で気持ちが悪い。とぼくは思いました。

前回、1年前の講演で聞いた言葉は
無意識・意識のハザマから紡ぎ出された言葉が多く
(意味不明だと言っているのではなく、本質的だが、まだ、洗練された言葉によって
明確な輪郭が与えられていない状態ということ)、
それらは、共通理解に安定しようとするのではなく、
「乗っているバスが曲がるはずの道をまっすぐ行ってしまい、
 いったい、自分はどこへ連れて行かれるんだ? でも、このままいっちゃえ~」
というような(?)、衝撃、魅惑的な引力がありました。
何処に向かうかわからないけど、どうしても、そこへ身を任せてしまうような言葉たち。
それらは、すごくインスピレーショナルで、
それを聞きながらいろいろ思いをめぐらすと、ある種の夢をみている感覚になる。

ぼくは人の話を聞くんだったら、語り部の完結したお話だけじゃなくて、
ぼくの脳内に火花を散らせ、そんな夢をみさせてくれる言葉の連なりも聞きたいです。

勝手な言い草ですが。
by w_junji | 2005-12-23 03:42


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