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自分の思いを愛する

先日の学会でベストプレゼンテーション賞なるものをもらいました。
発表を聞いていただいた皆様、ありがとうございました。本当にうれしいです!

ただ、最近、自分の仕事に対する取り組みかたが、
まだまだ甘いなーと噛みしめていたときだったので
嬉しさと同時に、ちょっと苦い感じでもあります。

発表の前に、ボスと発表内容について話しているとき、
「話す内容をわかりやすくする必要があるから、この辺をこうしようと思うのですが」
と言ったら、
「でもね、そうしてしまうと、本質的な部分が隠れてしまわないか?
 いくらわかりやすいとしても、本質を曲げてはいけないと思うよ」
と言われ、そんなことを考えた自分にかなりガッカリです。

自分の尊敬する先生(還暦を超えています)は
自分の意見に対する批判が有名な雑誌に出たときに、
身体を張って相手の批判を受けて(くだらない批判であっても)、議論をし、戦っていました。

とあるゼミで、大好きな作家さんは発表者と喧嘩しながら、
自分の思いを伝えようとしていました。

自分が尊敬している人達はみな、
自分の思い、意見、主張を愛し、きちんとこだわりを持って伝えようとしています。

自分の意見に対する批判、反対を全て自分が受け止める覚悟を持って発言しているし、
それだけの覚悟を持って、何かを言うためには、
きちんと細かいところまで気を配り、本質的なところを逃さずわかりやすく伝える。
ということをしています。

なんとなく、こうなんですけどとは絶対に言わないし、
自分の言いたいこと、自分の主張をとことん理解しようとする。
その主張を支えるものは実験かもしれないし、論理かもしれない。
絵や音楽かもしれないけど、その姿勢は変わらないと思う。

そして、そういうことができている人ほど、少なくとも自分の分野に関しては、
「人は人だから、他人がどう考えようと、そういう意見もあるよね。」とは言わない。
ある領域に関して、自分の思い、世界観があって、
その世界観に対する異なる意見に対しては真剣に対応する。
(喧嘩のようになったとしても)

実は自分は、自分の信じるものをかけて、あまり人と喧嘩をしたことがありません。
なんとなく、うまくやってしまうことがけっこう得意だから。
喧嘩をするくらい真剣になるって、本気でそのことを考えているということの裏返しだし、
普段の行動から自分の思いの不純さ、浅さを思い知ることが多くて。
by w_junji | 2005-01-31 02:32


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