書き言葉のない世界で物語はどうやって伝えられるのだろう.
記述しない世界の中で伝えられるものとはいったい何なのだろう.
それが正しく伝わったことはいったい誰が決めるの?
語られる,詠まれるなかで韻律に合う言葉だけが選ばれる
という説があります.
何が伝えられるか,そのこと自体はあまり意味が無く
語り伝える,しゃべる中での韻律だけが伝えられ
そこにどんな言葉がのるかは韻律だけあっていればよい.
たとえば,Expression (表現) がいつの間にか,Impression(印象)になって伝えられたり.
韻律のほうが意味を記憶するより楽.
そして,韻律は身体が記憶するもの,身体が選んだもの.
伝承者の身体に選ばれたもの,身体に受け入れられたものだけが残っている.
残りたいものが残るわけじゃない.
受け入れられたものが自然に残っていく.