人気ブログランキング | 話題のタグを見る

聴こえますか。

ヨーロッパから、無事帰国しました。
なんだか、まだ足がむくんでいる気がしますが、多分、健康です!

たくさん飛行機に乗って、たくさん移動して、いろんな人に会って。
ワークショップ、舞台、現代美術、メディアアート、ニューロサイエンス。
短い間に、とても、いろんな価値観と混ざり合って、
クリアになったこと、いい意味でわからなくなったこと、たくさんあります。

ただ、それを整理し、余韻を味わう暇もなく。。。
次の仕事は容赦なくやってきます。

今は、目の前のことに流され続けて、溺れそうな状態で、
息をしに水面に一生懸命顔を出しては沈み。その繰り返し。
自分の定点を確保する間もなく、次々に進んでいくのは、すごく不安で苦しい。
自分に余裕がないときは、夜も眠れない。

だけど、苦しいときに、「苦しいよう」って泣いて、
「明日もがんばる!」って笑って誰かと言いあえる。
それは、すごく大切なこと。

明日のことなんてわかんないけど、
それは、今の自分たちの背中をやさしく押してくれる。
今、がんばってる親友の話を聞くと、涙が出ちゃう。

まだ若いつもりだけど、最近、涙もろいのは、なんとも。
歳のせいでしょうか。。。
(疲れているだけであることを望みますが。。。)

ただ、歳をとると、それはそれで、世界の見え方が変わるのだなと思います。
時間が必要なこと、時間がたつとわかることがあるのだと思います。

人との間に信頼を作ることはもともと時間がかかる大変なこと。
人を待たせ、人を待つことの意味。。。
時間がかかること、それ自体の役割。

記憶は時間とともに変容し、
いつか、その人たちの声は思い出せなくなってしまうかもしれない。

でも、その人たちの存在のカケラ。
その向こうの物語がすっと心の記憶に入ってくる瞬間がある。
そして、それは日常の中にぽつんと落ちてる一瞬。
その人との物語が確かにあったことを、思い起こさせてくれる想像的知覚。

自分の中に、他人が確かにいるように、
たくさんの他人の中にも確かに自分がいる。
「自分はこれです、ここにいます。」って言う頑なさは何の力も持たない。

むしろ、「自分は、ここにも、そこにもいます。」
と言える透明さ、しなやかさを持ちたい。


聴こえますか。

「私は、ここにも、そこにもいます。」



ドイツのダンサー川口ゆいさん、慶応大学の坂倉杏介さん
をはじめとする皆さんととご一緒している 「Project HEREing Loss
(上の台詞は川口さんの言葉)

以下のパフォーマンス、ワークショップの申し込みは上記HPから

●Audio dance performance 「HEREing Loss -私の孵る場所-」

日時:12月26日(金)19:30
    12月27日(土)14:00/18:00
    12月28日(日)14:00

場所:横浜赤レンガ倉庫1号館

寝台席:3200円(各回20席)
普通席:3000円(各回70席)


●「HERE/HEAR 」いることと聴くことのワークショップ

日時:12月23日(祝)14:00/18:00
場所:慶応大学三田キャンパス東館6階

無料、各20名 申込締切12月10日



以下、今週末からの展示のお知らせ。

TECHTILE展
「SMOOTHNESS 触感←→オノマトペ ~触る・感じる・伝える~」

日時:2008 年 11 月 30 日 ~ 12 月 5 日 
    13:00 ~ 19:00 (11月30日のみ10:00~20:00)
会場:ZAIM 横浜創造界隈【ザイム】 別館 2Fホール
入場無料

・Touch the Invisibles:渡邊淳司、草地映介、安藤英由樹

  Touch the Invisiblesの世界では、”見る-触る”の関係性が実世界と異っています。
  実世界では見えるものに触ることで、触った感覚が得られます。
  しかし、この世界では”見えない”ものに触ることができ、
  見えるものには触ることができません。
  作品では、モニタの中をたくさんの人が歩いています。
  この人たちは影のみで実体が見えません。
  このとき、彼らを指でなぞると、指腹に”触った感覚”が返ってくるとともに実体が現れます。
  一方、実体が見えたときに、彼らに触っても触った感覚は返ってきません。
  つまり、Touch the Invisiblesの世界は、見えない人にのみ触ることができる世界です。

・「触 り心地の響きあい」ワークショップ:渡邊淳司、 早川智彦、松井茂

  私たち人間は、触覚を使った言葉を持っていませんが、
  触覚の抑揚(つまりは触り心地の変化)からも何らかのメッセージを
  受け取ることができるのではないでしょうか。
  本ワークショップでは、たくさんの触覚テクスチャ片を用意し、
  それらの触り心地を分類し、触覚のメッセージを作ってみました。
by w_junji | 2008-11-25 05:58 | 自己紹介の代わり


<< Faithfull? 10 days 9 flights >>