「13歳のハローワーク」という本があります。
(村上龍 著、 ライフログ参照)
眺めていて思ったこと。
これって、13歳じゃなくて55歳の人に向けて書かれた本じゃないかな?
つまり、共同体の一部となることが当然であった時代。
よい大学に行って、よい企業に入って、日本のために働きましょう
みたいな価値観が共有されていた時代に働き盛りだった人のための本かなと思いました。
(その頃のことは、ぼくには想像しかできないので確かなことは言えませんが。)
共同体(会社とか国とか)が価値観を保証しくれていた頃は
あなたは誰で、何の為に生きているかはある程度、
共同体が示してくれたのではないかと思います。
だけど、最近は
会社はすぐつぶれるし、転職は当然、離婚も数多い。
フリーターの方々もたくさんいらっしゃる。
共同体自体、存在が危うい。(共同体の存在意義がなくなったから?)
共同体が、自分の存在意義を保証し、価値観を与えてくれていたのなら
共同体が崩壊した時、会社がつぶれた時、愛してくれる人が死んだ時、
自分の価値、価値観はどうなってしまうのでしょうか?
共同体に依存して生きていた場合
価値を保証してくれていた共同体が突然なくなったら
多分、思考停止してしまうのではないかと思います。
この本は、多分、そういうことに関しての警告なのでは?
現在の、個人と社会の関わり方って、
社会に属するのでなく、
自分と社会がうまく折り合いをつけられる関係性を探ることが重要で、
その関係性を探る過程で、
自分の価値とか価値観を自分で発見し、発明していくんじゃないかなと思います。